「和、湊…苦し」
『こないでえええ!イヤァア!』
叫び声が聞こえるたび、力が強くなっていく。
「ちょ、ちょっと待って見えな」
『なんでよぉ!なんで私がこんな目に…!!』
え!?どんな目!?
今どうなってるの!?
何とかして退かしてみるのだが、その度に抱きしめられた。
ええ!見えない!多分一番いいとこ全然見えない!ポップコーンも食べれない!
『……誰をこの中から生贄にするかを決めないと、』
なんで!?なんでそうなったの!?
「やま、と!みなと!退け…」
『嫌よ!死にたくない!!イヤアアァ!』
「「…っっ!!」」
ちょ…女優さん!?叫び過ぎじゃない!?何も見えない状態だとただの騒がしい人みたいになってるよ!
リンは構わず膝の上で丸くなっていた。


