天然お嬢と双子の番犬さん



和と湊が学校に通い始めて数日が経つ。

日に日に色気と匂いと厚化粧が増してくる担任と、試行錯誤で喧嘩を売る京極先輩の攻防戦はまだまだ続いている。それと変わったことがあった。


「最近の犬飼聡介、大分落ち着いたわよね…京極海斗は相変わらずだけど」


私の口にチョコを放り込む鞠が言った。

そういえば…最近この教室に来てないなぁ。というか会ってない。喧嘩もあまりしてないんじゃないかな。


「それに…アイツ、黙ってれば普通にイケメンなのよね。チビだけど。黄昏てる時限定のイケメンだけど。ドチビだけど」


不本意なのかもしれない。
チビの強調が凄かった。


「確かにチビだったねー…ねぇ、僕の分は?」

「は?何言ってるわけ?花以外にあげるチョコなんてあるわけないじゃない。ふざけてるの?」

「鞠、顔怖いよ?」

「花~、こっちは苺が入ってるわよー?」

「いただきます!」


フリーズドライの苺に掛かったホワイトチョコ。最高に美味しい!