和の動きが固まった。
視線は自分の上に乗る私。



「ごめん!でも急いでて!」



ああ!こうしてる間にも猫さんがぁ!


直ぐに立ち上がりたかったが、和に抱きしめられていて動かない。さっきよりも力が強くなってる気がした。



「和?もしかして怒ってる?」



廊下走ったから怒ってるのかも。
でも仕方ないよ。緊急事態だったから。


顔を上げ、和を見る。



「お説教は後で聞くから!」



とりあえず離してほしいかな!




「…お嬢、」



鋭い視線を感じた。

怒って…る?
でもちょっと違うような…。




「何、この格好」




スルッ──、

肩からずり落ちた浴衣。
露になる下着姿の私。