天然お嬢と双子の番犬さん




「……えぇ…」



困惑した。

だって、急に出て来たんだもん。強面の人達が一斉に。拳銃やら、日本刀やら片手に勝ち誇った顔してる強面さん達。

呆れ顔の和と湊は同時に溜息を吐く。


もし分かっててやってるなら、凄い勇者さん達だね。
だってここは…五十嵐組のほぼ敷地内だから。


喧嘩売る場所間違えたのか、わからなかったのかは不明。

ただここは地元でも有名な道。通行人も避けて通るぐらい有名。容易に近づけるのは気にしないおばあちゃん、おじいちゃんぐらい。



「その女を寄越せ!」



ここにいる女は、私だけだから私の事だね。

今話してる人が多分リーダー。他の人達は一歩下がって睨んでるから、お仲間さんなだけだね。



「若頭が来る前にさっさと寄越しやがれ‼」



……え?

ここにいるよ?今目の前にいる二人が若頭だよ?

信じられないと思うけど。
学生服着てるこの二人が若頭だよ??


「その女は五十嵐竜二の娘…、」


男の肩に手が乗った。邪魔だと言いながら振り向くと、名前の張本人…。


「俺の事呼んだ?」

「え…あ、はッ…え??」


語彙力一瞬で吹っ飛びました。
私とパパを交互にガン見。


「俺の聞き間違いなのか知らないが…俺の娘に用があるって?」


青くなる男と満面の笑みで肩に力を入れていくパパ。


「お嬢、帰ろっか?」

「え?パパは?」

「…すぐ来る」


二人に引っ張られながら、怖い人達の横を通り過ぎた。
去り際、パパに口パクで「手洗いうがいしろよ」と言われた。