「…は、」
「身長は高いし、スラっとしてるし、大人っぽいし、笑うと優しい雰囲気になるし…紳士的でかっこいいと思う!」
まるで”あの人”みたい。
もう3年ぐらい会えてないけど。
「…ッ、」
…あれ?
急に黙っちゃったけど。
顔もちょっと赤い気がする。
「すすむく、」
持っていた一冊を私の手から奪う。
そしてリップ音。
唇が右頬に触れた。
「…なん、で?」
「フッ、その反応されるの初めてだな」
え…だって、急だったから…。どんな反応していいのか分からないのもあったし。パパによくされてるし、慣れ?
頬を摩られた。指で触れるたびに片目を閉じてしまう。
「やっぱ、花って呼ぶから」
「あ、うん。いいよ?」
私ばっかり名前呼びなのも変だもんね。
「花ってあの二人とどういう関係?」
和と湊の事かな。
「えっと…お兄ちゃん、みたいな感じかな。凄く大好きなんだ」
えへへ、と言うと丞くんはにやりと笑った。
「へぇ…お兄ちゃん、ね。それは良かった」


