違う場所を探そう、と言う鞠。
他に座れる場所あるかな。
…それにしても視線多いなぁ。
「ここでいいんじゃない?冷めるし」
和が言った。
湊は既に座ってる。
「人の話聞いてたわけ?犬飼の席って言ったでしょ?」
「名前が書いてるわけじゃねぇだろ」
お盆を取られ、和の隣に置かれた。
完全に居座る気のようだ。
まあ置かれちゃったし…座っちゃいますか!
鞠は溜息後、湊の隣へ。
「あたしは止めたから。目を付けられるのはあんた達二人よ。あたしと花を巻き込まないでよね…ま、昨日で既に目を付けられちゃってるでしょうけど」
「アハハ、僕達に目を付けるとか…笑えない冗談だな」
私はどっちかっていうと、二人に目を付けられた方が大変だと思うなぁ。
オムライスを食べながら、分けてもらった焼きそばとカレーを食べていた。
食べたかったものが、一度で食べれるなんて幸せ~。
幸せを噛みしめていた時、背後から声がした。
「おい、誰の許可得てここで食ってんだ?」
二年の先輩二人組。
犬飼先輩と一緒にいる人かな。
「あたしは止めたわ。文句はそこの二人に言ってくれる?」
鞠はそれだけ言って、私の口元にお肉を持ってきた。
んん~!美味しい~~!
ニコニコ鞠に餌付けされている。
先輩達は和と湊の方に視線を向けた。弱い殺気を二人に送っているが、気にも留めず黙々と食べている。
「ッ、おい!」
机を思いっきり叩かれた。
振動が伝わってくる。
…手の平痛そうだなぁ。
「聞いてんのか?お前等、犬飼に喧嘩売って…」
「花の好きな大きいジャガイモあったよ。食べる?」
「焼きそばはもういらねぇのか?」
「食べたい!オムライスと交換しよー!」


