顔を逸らされた。
耳が赤くなってる気がする。
「湊?どうしたの?具合でも悪い?」
「…ッ、ちげぇ」
もしかしてニコチン不足とか?でも今から体育だし、飴持ってきてないや。我慢してね!
「花ってほんとに罪な女ね」
「え…逮捕されるってこと…?」
「違うわ。そっちの罪じゃないわよ」
ええ?じゃあどういう…?
鞠は溜息を吐きつつ、私のジャージの袖を捲ってくれた。三回ぐらい折って手が出る。
ちょっとモコっとしてるけど、まあ手が出たからいっか。
「花、僕のズボンも履く?」
不機嫌和登場。笑顔だけど笑顔じゃない。
「ええー。引きずって転びそうだからやだぁ」
「湊の臭いし、僕の方良くない?」
「…だから、さっき着たばっかつってんだろ」
「ちょっと!花がヤダって言うんだからやめなさいよ!」
なんで、そんな不機嫌になったの?
身に覚え無さ過ぎて困るんだけど…。
ピピ───!!!
笛の音に驚き見てみると体育の先生がいる。集合の合図だ。


