体操着に着替え、体育館へ向かう。体育祭が近々あるし暑くなると思ったから半袖とハーフパンツ。


転んだら痛いから、転ばないように気を付けよ。
運動靴に履き替えてっと。


「あ、和ー!湊ー!」


半袖長ズボンの和と長袖とハーフパンツの眠そうな湊がいた。駆け寄ってくる二人。


「足出し過ぎじゃない?」


え?そうかな?
でもこれが通常だし…。

鞠が抱き着いて来た。


「学校指定よ。花がいくら可愛くて心配なのは分かるけど。いい迷惑よ」


あ!威嚇してる!
私も加勢する!

同じく抱き着いて威嚇した。


「…分かったよ」


納得してるのか、してないのか分からない。隣の湊は納得してない感じするけど…ん?

おもむろに上のジャージを脱ぎ始めた。


「わっ!?」


頭の方に投げつけられた。


「着ろ」

「えー…暑くなるし…」

「…着ろ」


圧!!圧凄いってばっ!もーーー!

鞠が怖がる前に着た。
袖が幽霊になってる。


「おおきい…」

「花…可愛いぃ!」


後ろから鞠に抱き着かれた。ズボンだったら確実に引きずって転びそう。

あ…この匂い。


「湊、花が臭いってさ」

「は?さっき着たばっかだっつの」


確かに新品の匂いがする。
でも、ほのかに…、


「花?やっぱ臭いの?あの人の匂い」


鞠が首を傾げた。
笑いながら首を振る。


「違うよ。湊の匂いに包まれてて、抱きしめられてるみたいだなぁって思ったの」

「…は、ッ…、」