「本当、架子ちゃんは彼氏と仲良しだね〜」



「まぁね〜、松村くんみたいにチャラ男じゃないから!」



「あれ〜、それは俺がモテるからって嫉妬してるんだな?」



「は?何言ってんの〜意味不明〜」






そうやり取りをしてあはは、と笑い合う2人だけど
毎回聞いてて2人の会話はどこかピリピリしてるのが気になるんだよね。






「私浮気する人無理なんだ」



「俺は浮気じゃないよ〜ほかの女の子たちも色んなこと付き合ってていいって了承貰ってるから」



「それも浮気」



「ちがうよ〜本命いないもん」






松村くんの言葉に架子ちゃんはため息をついて黙り込む。


松村くんは松村くんでケータイばかりいじって作業はまぁしていない。






「そうだ!架子ちゃん!
明日の放課後は旬佑先輩と帰って?
私が架子ちゃんの代わりにしておくから」






架子ちゃんがピリピリしているのは見てわかるから、何とかいつものように明るくなって欲しくてそう提案すると

架子ちゃんは申し訳なさそうに眉を下げた。






「そんな、自分がしたくて立候補したし、彼氏と帰りたいからって仕事放棄できないよ」



「ううん!架子ちゃんずっと頑張ってるからたまにはお休みも必要だよ!
私は彼氏とかもいないし、たまにはいつもお世話になってるお礼させて?」






そう、だって私は架子ちゃんが友達になってくれたおかげで

こんなに楽しい高校生活おくれてるんだもん。



そんな気持ちを込めて伝えると
架子ちゃんは心配そうに眉を下げながらも頷いてくれた。






「ごめんねおりは」



「ううん!楽しんでね♪」






そう言って笑った架子ちゃんはすごく幸せそうな顔で

やっぱり恋愛は素敵だなぁと思った。