新居の場所は秘密にするの。



ずっとずっと2人、静かに暮らすんだ。




実はもう私は子宮をとる手術もしてしまっていて子供は産めない。


でもこんな汚い女は母にはなれない。資格がないから。


それでもいいよと、椛は私と2人でずっといようと言ってくれたんだ。






「椛、連絡は取ってくれよな〜」



「わかったわかった、お前も頑張れよ奏斗」



「椛、行こう」






私の声に椛は寂しがる有澤くんを引き剥がして私の手を繋いでくれた。






「じゃ、幸せになれよ」



「また、いつか」






椛と私はそうみんなに声をかけて会場を後にした。



私は例え家族も友達も全て捨ててでも椛と一緒にいたいの。

もう誰からも何も言われない静かな暮らしをしたい。



もう、この世界は怖いから。