その頃
「リミルどうしよう、こんな顔で外に出られないよ」
「愛来様泣かないで下さい。更にお顔が腫れてしまいます」
愛来はリミルの言葉を聞きグッと涙をこらえた。
朝起きると愛来の顔は連日泣き続けたせいで目は腫れ、食事もろくに食べていなかったせいで肌はボロボロ。昨日は暗かったため、なんとかごまかせたようだが、昼間はやばい。
そんな時、朝からウィルが尋ねてきた。
無理、こんな顔で会えない。
愛来はリミルにお願いしてやんわりと断りを入れ帰ってもらった。お昼の誘いもあったが、この顔ではお昼までに良くなるとも思えず、それも断った。
「リミルどうしよう。ずっとこのままだったら」
「愛来様大丈夫ですよ。このリミルにお任せ下さい」
そう言って胸を叩いて見せたリミルは愛来を湯浴み場へと連れて行った。
たっぷりのお湯に香油という良い香りのオイルをたっぷりとたらす。
リラックス気分でお湯につかった後は部屋でリミルが全身をマッサージをしてくれた。随分と顔の腫れも引いたように思うが目の開けずらさがあることから、まだ腫れていることがわかる。
目の上に冷たいタオルをおき冷やしていると良い香りが漂ってくる。
もうすぐ午後のお茶の時間だろうか?
「愛来様もうすぐお茶の時間になりますが、その前にもう一度冷たい水をお持ちしますので目を冷やしてからお茶にいたしましょうか」
「リミルありがとう」
リミルにお礼を言い、しばらくすると廊下から人の争い合うような声が聞こえてくる。
どうしたのかしら?
その声は部屋の扉が開いてからも続いている。
「殿下、愛来様は大丈夫ですのでお引き取り下さい」
「愛来の顔を見たらすぐに出て行くと言っている。何故邪魔をする」
……ウィル?