目立つことが苦手。だけど、教室の端っこにいても毎日ちゃんと楽しいし、ささいなことで友達と笑いあっている。
そんなくるみが、ひょんなことから、クラスイチ目立つ男子の蓮と同居をすることになってしまった。
別の世界にいるように見えて、ずっと、同じ場所にいる。
同じ場所にいるけれど、別のものが見えている。
そんなふたりが、お互いのことをじっと見て、痛みに気づいて、悩みをわかって、手を取りあうまでの過程が、とても可愛らしく、そして、優しかったです。
「高折くん。星が見えるよ」
いつかくるみがひとりぼっちで呟いたその言葉を、これからは何度だって、隣にいる彼に伝えていくのだろう。
なんだか、どこか、ほんのりさみしい。でも、読後は心がぽかぽかします。
いつか、くるみの描いた絵本を読んでみたいです。