二時間目が始まっても、高折くんたちは戻ってこなかった。

 そして三時間目が始まる前、ふたりはやっと教室に帰ってきた。

 高折くんはクラスの男の子たちにつかまっていじられていたけど、永峰さんは思い詰めたような顔をして、ひとりでぽつんと自分の席に座っていた。



 わたしの隣に高折くんが戻ってくる。

 そして何事もなかったかのように、教科書を用意している。

 わたしは視線をそらし、同じように次の授業の用意をした。



『蓮のこと、気になる?』



 わたしの絵を拾ってもらったこと、ちゃんとお礼を言いたかったのに、新名くんに言われた言葉が邪魔をする。



 結局わたしは学校で、高折くんと話すことができなかった。

 そしてその日以降、高折くんと永峰さんが話しているところを、見かけなくなった。