きみとぼくの終わらない物語

「じゃあ、くるみ、また明日」

「うん、またね、冬ちゃん」



 校門の前で冬ちゃんと別れる。

 冬ちゃんは徒歩通学で、わたしはバス通学。

 バスに乗らずに自転車でも通える距離だけど、運動神経の超ニブいわたしは自転車で何回かこけて、お母さんからバス通学を勧められた。

 わたしもそれに賛成だ。



 バスに揺られて十数分。

 公園の前にある、最寄りのバス停で降りる。

 すると空からさあっと、細い雨が落ちてきた。



「え、雨?」



 天気予報のお天気マークは晴れだったから、今日は傘を持っていなかった。

 まいったなぁ……。

 雨宿りできそうな場所もないので、わたしはあわてて走り出す。

 向こうの空には青空が見えるのに、ここだけ明るい雨が降っている。



 近道の公園を通る。ベンチもブランコも滑り台も、しっとりと雨に濡れていく。

 公園を抜け、住宅街を走っていると、後ろから来た自転車がすうっとわたしを追い越した。



「あ……」



 キラキラした雨の中で立ち止まる。

 制服の白いワイシャツ、グレーのスラックス、一瞬見えたわたしと同じ色のネクタイ。

 あれはきっと……。

 男子高校生の乗った自転車が、目の前の角を曲がる。わたしはまた走り出す。



 曲がり角を曲がると、自転車はもう見えなかった。

 その代わりにわたしの家の門が見える。

 わたしはふうっと深く息をはいたあと、少し緊張しながら門を開いた。