きみとぼくの終わらない物語

「ねぇ、(れん)ー。クラTのお金まだぁ?」



 永峰さんはグループの中心にいる、茶色い髪の男の子――高折(たかおり)蓮に声をかけた。



「え、おれまだ渡してなかったっけ?」



 高折くんの声が聞こえる。特徴のある、低いけれど甘い声。



「まだだよ。出してないの、蓮だけなんだからね?」



 永峰さんがそう言って、高折くんの背中をぽんっと叩く。



「わりぃ、いま渡す」



 ポケットの中にごそごそと手を突っ込んで、「あれ?」と首をかしげている高折くん。周りの男子や、それを見ている女の子たちが、くすくすと笑っている。



 高折くんは、あのグループの中ではおとなしい方だ。大声でしゃべったり、大笑いしたりしているところを見たことがない。

 それでも目立ってしまうんだ。あの人は。



 誰もが認めるイケメンで、背が高くて髪の毛サラサラ。

 着崩した制服はちょっとチャラいのに、テストの成績は良くて、球技大会でバスケをやったときは、体育館に人だかりができたという伝説がある。

 おまけに名前も、なんとなくカッコいい。