きみとぼくの終わらない物語

「幼稚園のときから」

「うそつけ!」

「うそじゃないし。てかもういいだろ? 今後一切、くるみに触れるなよ? 新名」



 高折くんはそう言ったあとスマホを取り出し、一枚の写真を新名くんに見せた。



「それからこの写真は消去させてもらう。お前の手がウザいから」



 文化祭の前日、完成した看板の前で撮った写真。

 わたしの肩には、新名くんの手がのっている。

 その写真を、高折くんは迷わず削除した。



「おまっ……それは思い出の写真だろ? 心の狭いヤツだな!」

「思い出だったらこれから作るからいい」

「はー? くるみちゃんとつきあえたからって、急に余裕こきやがって。えらそーに!」



 新名くんが高折くんの胸元を指先で押す。

 そんな新名くんの体を高折くんが押し返す。



「なんだよっ」

「そっちこそなんだよっ」



 立ち上がった高折くんと新名くんがにらみ合う。



「あー、もう、やめやめ! くだらないことで喧嘩しない!」



 ふたりの間に、永峰さんが割って入る。



「くだらないことじゃねーだろ?」

「くだらないことだよ。蓮と矢部さんがつきあうなんて、たいしたことじゃない。わたしたちがギャーギャー騒ぐほどのことじゃないでしょ?」



 永峰さんはふっと笑うと、高折くんとわたしの顔を交互に見たあと、「お幸せに」と言って、行ってしまった。



「おーい、永峰! ひとりだけカッコつけんな!」

「うるせぇ、騒ぐなっつてんだろ、新名」

「蓮ー! お前、おれがどれだけお前らのこと」

「べつに頼んでねーし」

「てめぇ!」



 隣の席で、新名くんと高折くんが騒いでいる。

 わたしはひやひやしながらふたりを見守る。

 そんなわたしに冬ちゃんが聞いた。



「で、結局どっちから言ったの? 『つきあおう』って」



 冬ちゃんはわたしたちのことを、漫画のネタにするつもりのようだ。