きみとぼくの終わらない物語

「は?」

「馴れ馴れしく触んなって言ってんだよ。おれの彼女に」



 きょとんとしている新名くんの手を、高折くんが振り払った。



「はぁ? お前いま、なんて言った?」



 新名くんが大げさなほど大きな声で、高折くんに聞く。

 高折くんはリュックを机の上にどさっと置いて、わたしの隣に腰かける。



「おれの彼女って言ったんだよ」

「ひゃあっ……」



 冬ちゃんが裏返ったような声を出す。

 新名くんが目を丸くする。

 周りにいた人たちが、わたしたちに注目している。

 わたしは胸の痛みを通り越し、胃をキリキリさせていた。



「でも蓮。あんた今、女の子たちからプレゼントもらってたじゃん?」



 永峰さんの声が響く。

 高折くんはちらっと、永峰さんに視線を向けてつぶやく。



「いっこももらってねーよ。悪いけど全部断った」

「あたりまえだ! そんなもんもらったら、おれが許さん!」



 わたしから離れた新名くんが、なんだか偉そうに腕を組んでうなずいている。



「まったく、世話が焼けるんだから」



 永峰さんはふうっとため息をついている。



「ねぇねぇ、結局どっちから『つきあって』って言ったわけ?」



 冬ちゃんはわたしと高折くんの顔を見比べながら、にやにやしている。

 高折くんはそれには答えず、そっぽを向いた。

 わたしは恥ずかしくて、うつむいてしまう。



「でもまぁ、先にくるみちゃんに告ったのは、おれだけどな」



 自慢げな新名くんの声に、高折くんが言い返す。



「でも先に好きになったのは、おれだから」

「はー? お前いつから、くるみちゃん好きだったんだよ?」



 高折くんが顔を上げる。

 わたしもちらりと隣の高折くんを見る。

 一瞬目が合ったあと、視線をそらした高折くんが言う。