「おはよ! くるみ!」



 自分の机にリュックを置いたとき、冬ちゃんが駆け寄ってきた。

 その顔を見たらなんだかほっとして、わたしは冬ちゃんに抱きついてしまった。



「冬ちゃーん!」

「えっ、なに、どうしたの? くるみ」



 昨日からいろんなことがありすぎて、どきどきしっぱなしだったんだ。



「くるみ? どうしたの? なんかあった?」



 あった。たくさん。

 冬ちゃんに、なにから話したらいいのかわからない。



「おはよ」



 そんなわたしたちの前で、誰かが立ち止まった。

 冬ちゃんから体を離して見てみると、そこには永峰さんが立っていた。



「あ、おはよう、永峰さん」



 冬ちゃんがずいぶんフレンドリーな感じで言う。

 そうか、昨日、冬ちゃんは永峰さんと一緒に過ごしたんだ。



「お、おはよう」



 わたしは少し、どもってしまった。

 やっぱりまだ、永峰さんの前では緊張してしまう。

 永峰さんはじろじろと、わたしのことを観察するように見た。



「メリークリスマス! くるみちゃん!」



 そのとき、新名くんがやってきた。

 昨日の電話と同じ、ハイテンションで。

 教室中の視線が、一気にこちらに集まる。

 わたしは恥ずかしくなって、さらに背中を丸めた。