ご飯を食べて、急いで支度をする。

 とっくに支度を終えた高折くんが、玄関で待っている。

 今日は雪がちらついているから、バスで行くのだという。



「早くしろよー」



 高折くんにせかされて、わたしはお弁当とスケッチブックをリュックに入れ玄関へ向かう。

 高折くんはもう外に出ていた。



「おそい」

「だって……」



 なんだか今日はいつもと違う。

 高折くんとの絡みがやけに多い。

 高折くんが、恐竜のキーホルダーのついた鍵で玄関を閉める。

 それを見て、わたしは昨日の言葉を思い出す。



『じゃあ、おれとつきあって?』



 ああそうだ。わたしたち、つきあうことになったんだ。

 でもつきあうって……なにをしたらいいんだろう。

 わたしにはわからない。

 男の子とつきあったことなんてないから。



 だけど高折くんはあるんだよね。

 中学生の頃、女の子に告白されてつきあったって、言ってたもの。