「そうだ! クリスマスイブにパーティーやろうぜ!」



 わたしの隣で、新名くんがパンをかじりながら叫んだのは、十二月の半ばも過ぎたクリスマス前のことだった。



「は? パーティー?」



 新名くんのそばに座って、パックのいちごジュースを飲んでいる永峰さんが首をかしげる。



「そ! カラオケのパーティールーム借りてさ。みんなで集まって、プレゼント交換とかすんの」

「なにそれ。小学生みたい。わたし、イブは無理かなぁ」

「カッコつけんな、永峰。どうせヒマなんだろ? デートする相手もいないと思って、誘ってやってんじゃねーか」

「誰が誘ってくれって言ったのよ!」

「冬ちゃんとくるみちゃんも来るだろ?」



 突然新名くんが、わたしたちに振ってきた。

 冬ちゃんとお弁当を食べていたわたしは驚いて顔を上げる。



「え、わたしたちも?」



 だってそういうのは、新名くんたちグループの話だと思っていたから。



「もちろん。あ、蓮。お前もヒマだよな?」



 食べ終わったお弁当箱を片づけながら、高折くんが答える。



「おれは無理。バイト入れようと思ってたから」

「じゃあ入れるな。イブは絶対空けとけ。絶対だぞ!」



 新名くんが念を押すように、高折くんの背中をぽんぽんと叩いている。

 新名くん、張り切ってるなぁ……。



「てことで、くるみちゃんと冬ちゃんもよろしく。詳しいことはあとで連絡する」



 新名くんは食べ終わったパンのビニール袋をぐしゃぐしゃと丸めると、他の男子に呼ばれて行ってしまった。