きみとぼくの終わらない物語

「おはよう!」

「お、おはよう」

「声が小さい! お・は・よ・う!」



 わたしは苦笑いだけ返して、その場を通り過ぎる。

 新名くんは周りの男の子たちに「バカだなー」なんて笑われている。

 その中に高折くんがいることも、わたしはちゃんと確認していた。



 チャイムが鳴って、みんなが席に戻る。

 わたしの隣に高折くんが座る。

 先生が教室に来て、一時間目の授業がはじまる。

 いつもと同じ、いつもの教室。



 先生の声を聞きながら、ちらりと隣を見た。

 高折くんは左手でシャーペンを持って、黒板の文字をノートに写している。

 わたしはそっと目をそらし、自分のノートを見つめる。



 高折くんとわたしの関係は、なにも変わっていなかった。

 わたしは告白したけれど、高折くんの答えはあの時のまま。

 だけどわたしが新名くんとつきあうことはもちろんない。



 少し変わったもの。何も変わらないもの。

 ただ季節だけは確実に過ぎていて、短い秋はあっという間に終わってしまった。