きみとぼくの終わらない物語

 家に向かって並んで歩く。日はどんどん暮れていく。

 秋のこの時期、一日ごとに日暮れが速くなっていく。

 いつもの公園に入った。

 今朝、ここで告白したことを思い出し、顔がかあっと熱くなる。

 高折くんはやっぱり黙ったまま、わたしの少し前を歩いている。



「あっ」



 そのときだった。

 高折くんは何かを見つけて急に走り出す。



「ミル!」

「えっ?」



 わたしは驚いて顔を上げる。

 高折くんがベンチに寝そべっている猫に駆け寄っていく。

 あれは……本当にミルだ。

 わたしも驚いて、ベンチに走る。



「ミル! なんでこんなところにいるんだよ!」



 高折くんがミルを抱き上げ、その顔をじっと見る。

 ミルは全く動じない様子で、大きなあくびをひとつする。

 高折くんはそんなミルをぎゅうっと抱きしめた。



「に、逃げ出してきちゃたのかな」



 高折くんの隣に立ち、わたしもミルの顔を見る。

 完全に室内で飼っていて、外へ出したことなんかなかったのに。



「……おれのこと、迎えに来たのかも」

「え?」

「昔はさ、よくミルとふたりで公園に来てたから」



 高折くんは前に言っていた。

 お父さんが亡くなったあと、よくミルとふたりで公園に来て、星を眺めていたって。



 高折くんがミルを抱いたまま、ベンチに座る。

 わたしもそっと隣に腰かけた。

 あたりはうっすらと、暗くなりはじめていた。

 遠くのマンションの灯りが、ぽつぽつと灯りはじめる。



 わたしは何気なく空を見上げた。

 星はまだ見えない。

 ミルが小さな声で「にゃあっ」と鳴いた。