そのあとは、ずっとぼうっとしていた。

 バス停に着いたら、ちょうどバスが行ってしまったあとだった。

 次のバスだと遅刻になるけど、仕方ない。

 わたしたちは無言のまま、バスを待った。



 隣に立っている高折くん。

 こんなに近くにいるのに。誰よりもそばにいるのに。

 わたしの想いは届かない。



 ぼんやりしていると涙が出そうになるから、きゅっと唇を噛んで空を見上げた。

 高い空には白い雲が浮かんでいて、わたしは雲に乗って冒険する、緑色の恐竜のお話を思い出した。