結局みんなでバスに乗って、うちで勉強会をすることになった。

 こんな展開、想像したこともない。



「なんか、遠足みたいでわくわくするな?」



 ちょうどあいていた一番後ろの席に、五人で座る。

 新名くんが真ん中だ。

 だけど喜んでいるのは新名くんだけ。

 無理やり連れてこられた永峰さんは、不機嫌そうな顔をしているし、冬ちゃんは困った顔をしている。



「お前、小学生か」



 高折くんは、さっきからずっとあきれている。

 みんなと一緒に帰るために、高折くんは自転車を学校に置いてきた。



「そういえばわたしも、くるみんち行くの初めてかも」



 わたしの隣で冬ちゃんが言った。

 そうだ。冬ちゃんも来たことがない。

 自分の家に友達を呼ぶなんて、小学生以来かもしれない。



「あ、ここで降りるの」



 最寄りのバス停に着き、みんなでぞろぞろと降りた。

 永峰さんは、仏頂面でついてくる。

 わたしはどんな顔をしたらいいのかわからない。



 バス停の近くのコンビニで、お菓子やジュースを買い込む。

 公園の中を突っ切って、住宅地を少し歩くと、わたしと高折くんが住む家に着いた。