箱崎桃にはヒミツがある おまけ




「待て。
 幼児でもないのに、何故、付き添いがいる」

 しかも、本人より取り乱しそうな付き添いが……。

 二時間後、ワープせずに来島は現れたが。

 何故か桃も一緒で、幼児が来たとき親が座る椅子に座り、来島の手を握っている。

「来島さん、気をしっかり持ってくださいっ」

 今から、どんな大手術が行われようとしているんだ……と、これから執刀(?)する貢は思う。

「ああもう、死んだ方がマシよ。
 先生、全身麻酔をかけてください」
と言い出す来島に、

 よく似てるな、このマネージャーとモデル、と貢は思っていた。

 っていうか、桃。
 なんだかんだで、この人、男なんだが。

 しかも、言葉遣いがあれなだけで、ゲイではない。

 夫の前で、そんなガッチリ手を握り合ってるとかどうなんだ、と思っていたが。

 治療を前に動転している二人には、性別などどうでもいいことのようだった。