「桃ーっ。 なんでもおごってあげるわよっ。 ああ、私、食べられないんだった、まだーっ」 と会計を済ませて言う来島は陽気だった。 そんな来島を見ながら、背中に羽根が生えたようというのは、こういう感じを言うんだな、と桃は思っていた。 わかるわかると桃が頷いていたとき、診療室からドアを開けて覗いた貢が言った。 「桃。 このあと少し時間が空いてるから、来たついでに検診してくか?」 「結構です~っ」 と桃は来島の手を引き、飛んで逃げた。