(ダメっ!もう立ってられない…)

力の抜けた体を

「おっと!」
先生が力を込めて抱き締めて崩れ落ちそうな私を支えた。

「ったく、お前時々突然みょうなスイッチが入るよな。

それがお前の言う "恋する乙女のパワー" ってやつなのか?

フッ、半年間希望通り恋人として扱ってやる。たっぷり甘やかしてやるから覚悟しとけ。

俺を落とすのは大変だから頑張れよ」

不意に唇に軽く触れた柔らかな感触に、全身の力は一気に抜けて支えてくれていた先生の腕をすり抜けぺたりとその場に座り込んだ。

熱をもった頬を両手で押さえて
真っ赤になって立てない私の隣に、先生は同じようにしゃがみこむと

「今日頑張ったご褒美だ。
まぁ次はないから安心しろ。
俺に襲って欲しかったら頑張って俺を落とすんだな」

ふわりと私を抱き上げ立たせると

「さぁ、帰るぞ。腹へったな。飯食って帰るか」

と無邪気な笑顔を私に向けた。

ねぇ先生、今日私は少しでも先生の心に近づけましたか?

ご褒美だと言って私にしたキスは…。

少しだけ意味があるって期待してもいいでしょうか…。