「花言葉です。偽り....、それって私たちの出会いみたいでしょ?」


 私たちの関係は、偽装結婚という偽りから始まった。

 あの頃は、千秋さんを好きになることも、こんな結末を迎えていることも、誰も想像していなかったと思う。

 でも、私たちは今、本物の夫婦になった。

 お互い愛し合って、本物の愛を見つけた。


 どんな関係も、始まりはなんでも、未来は誰にもわからない。

 それぞれ、その人の行動次第で、いくらでも未来は変えられる。


「本当にいいの?それで。」

「いいんですっ!」

 レジに向かう私を追いながら、財布を手にする彼は不安な表情。でも、今の私には大切なことだった。

「なんなら、育てられる環境もプレゼントしてくれれば。」

 そうして、冗談まじりにニヤリと笑うと、彼は呆れたように笑った。


 誰かが決めた未来じゃない。自分が決めた未来を歩く。

 そのおかげで、私は今の幸せを見つけた。

 それは、一生ものの、真実の愛だった。


「それで、これはなんて花なの?」

 腰に手を回し、顔を覗き込んでくる彼。

 私は、花の写真が入ったパッケージの袋を見せ、満面の笑みを見せた。