創くんは一息つくと、私との会話が休憩だったかのように、また新しいお肉を注文し出す。

 その細い体のどこに入るのかと思うほど、まだまだ食べられると言わんばかりの食欲には、呆気だった。


「でも、ちゃんと話はした方がいいっすよ。」

 注文を終えると、残ったお肉を焼きながらボソッと呟く彼。黙って動向を見守っていた私は、急に出された声にピクッと反応した。


「疑う偶然の中に、ちゃんと真実の偶然、あるかもしれないですから。」

 そう言いながら、また平然とした顔でお肉に視線を戻す彼。私は、そんな姿をただ呆然と眺めていた。

「それに、もっと怖い偶然。隠れてるかもしれないし。」

 そして、付け加えるように突拍子もないことを言って、脅かしてくる。


「まさかー。」

 私はおもむろに髪の毛を触り、苦笑いを浮かべた。