ホオズキの花 〜偽りから始まった恋の行方〜


「どこにあるの?」

「えっと、山になってる絵画の中に。どこかに"晴れの日"ってタイトルが書いてあると思うんですけどー。」

「ちょっと待ってね?」

 そう言って、山積みになっている絵画の方へと向かいながら、ふと思う。


「ここならもはや、自分で探せばいいのに.....」


 そんな心の声がボソッと漏れ出しつつ、私は傷つけないようにと、慎重に扱いながら一つずつ絵画を触った。


「あっ。」

 その時、ふと見えた"晴"の文字。

「これかな?」

 片手で持てるくらいのサイズ感。額に入った油絵を持ち上げると、一気に目を奪われた。


 暖かい雰囲気。

 ポカポカとした陽だまりが、こちらまで伝わってくるかのようなその絵の中には、一面に広がる菜の花畑を見つめる少女が立っている。


「この絵、なんか好きなんすよね。」

 絵に見惚れていると、いつの間にか背後に立っていた彼が、そう言葉を漏らした。

「素敵だもん。なんかあったかい気持ちになる。」

 心がポッと暖まる。

 自然と、心が軽くなったような気がした。


「これ、瀬川さんにあげます。」

 ジッと絵を見ていると、耳元で聞こえてきた言葉。


 え?っと振り返った時、不覚にもドキッとさせられた。