お兄ちゃんよりも集合時間の早い私は先に家を出た。

 制服の採寸と教科書を買うために、既に何度か学校へ行ったことがあるので乗り換えもスムーズだ。


 電車の乗降口の傍に立って、ガラスに映る自分の制服姿を見た。

 小学校は私服で中学校はセーラー服だった。だからブレザーにチェックのスカートをはいている自分が何だかすごく大人っぽく見えてうきうきする。

 折れたスカートの裾を叩きつけて、リボンの位置を少し直す。


 そうしている間に同じ制服の人が増えていき、学校の最寄り駅に付いた。


 駅から高校までは緩やかな上り坂が続く。明日からはお兄ちゃんと一緒に登校できるのかな、なんて考えて思わず頬がゆるゆると緩む。