目を細めて笑うお兄ちゃん。どきんと胸がまた高鳴る。
「も、もう! 早く食べないと、遅刻しちゃうよ!」
今日は一年生が入学式で、二三年生は休み明け早々にテストがあるらしい。
いただきます、と手を合わせたお兄ちゃんは何かを思い出したかのように「あ」と声をあげた。
「そうだ、真佳。言い忘れてたけど、その制服、とっても似合ってるよ」
ぽん、と顔に火が付いた。
「も、もう! 早くご飯食べて! お兄ちゃんのお弁当、ここに置いておくからね」
はーい、とくすくす笑ったお兄ちゃん。私の照れ隠しに気が付いたらしい。朱い頬を見られるのが恥ずかしくて、今日は先に洗いものを片付けた。