「俺は真佳と一緒に出掛けたいから出かけるし、隣も歩くしこうして手も繋ぐ。俺がそうしたいからだよ。だから真佳は何も気にする必要はないし、真佳は俺のわがままに付き合っていると思えばいい」

 「お兄ちゃん……」

 「真佳が誰に何を言われようとも、傷ついたり気にしたりする必要はないよ。だからそんな風に俯かないで。いい?」


 こくんと頷けば、お兄ちゃんは満足げに笑って立ち上る。


 「じゃあ、デザートにプリン食べる人?」

 「食べる……!」


 勢いよく立ち上がると、お兄ちゃんは「よし!」と私の頭を軽く叩く。

 風に揺れる新しいカーテンの隙間から、小さな星が輝いていた。