正樹叔父さんに援助してもらって無事高校生活を終えることが出来た私は、二浪の末、アメリカの大学に進学した。

正樹叔父さんと同じCLS、チャイルドライフスペシャリストの資格を取得するためだ。


進路をそう決めたのは高校三年生の時だった。

決めた頃には時既に遅く、出願する際の英語のスコアが足りず、結果二浪もすることになってしまった。


予備校や渡米で沢山迷惑をかけてしまって、それでも正樹叔父さんは私の夢を心の底から喜んで応援してくれた。


アメリカでの生活は慣れないことも多かったけれど、学生寮で出来た友達はみんないい人達ばかりで、正樹叔父さんもたまにこうして連絡をくれる。

電話をする度に「たまには帰ってこい」と言ってくるけれど、それも心配してくれているのだと思ってちゃんと聞くようには心がけている。


それでも、ほんとに正樹叔父さんってば、過保護というかなんというか。

生田家の男の人たちってみんなこうなの?


はあ、とため息を吐きながらベッドに寝そべると、枕元に置いていた白いくまのぬいぐるみがころんと転がり落ちた。