食器を洗ってから私もいつも通りの時間に家を出た。
雲ひとつないよく晴れた空とは正反対に私の気持ちはどんより曇る。
一晩中昨日のことを考えたけれど、何一つ解決はしなかった。
凛ちゃんはお兄ちゃんのことを、家族としてではなくひとりの男の人として好き。
そして私がお兄ちゃんに気持ちがあることに気づいている。
なにより、凛ちゃんは「バレたら困るでしょ?」と私に言った。
口振りから、今はいいふらすつもりは無いらしい。
けれど今は黙っているだけで、いつでも言いふらすことが出来るということだ。
でも、それだとしたらどうして……?
凛ちゃんもお兄ちゃんのことが好きなら、他の人にバレて困るのはお互いに同じなのに、どうして凛ちゃんは「私は困らない」と言い切ったの?