なにを、言っているの?

凛ちゃんは何を言っているの?


「真佳ちゃんはね、真守くんの妹に憎いって思っちゃったんじゃないよ。真守くんの事が好きな恋敵を憎いって思ってたんだよ。だから、嫉妬する気持ちはぜーんぜん間違ってない」


お兄ちゃんの妹じゃなくて、お兄ちゃんが好きな……。

頭の中では理解出来ているはずなのに、心が追いつかない。


「私と真佳ちゃんって、似てるよね。義理の妹なのに、お兄ちゃんのことを好きになっちゃうんだもん。その相手が真守くんじゃなかったら、いい友達になれたかもしれないのにね」


その瞬間、凛ちゃんは張り付いた笑顔のまま私をじっとみた。

目が笑っていなかった。


「残念だけど、真佳ちゃんは駄目なの。真守くんだけは駄目なの」


喉にナイフを突きつけられているような息苦しさ。

手が震えて、声が出ない。

震えを抑え込むように、自分の腕を抱き抱えた。