「真佳ちゃん、すごくムカついたでしょ?私と真守くんと話してる時、私と真守くんが一緒にいる時、私と真守くんがふたりしか知らない話をしてた時」
「べつに、私は……」
「なんともない、ことないよね。すっごく腹が立って、悲しくて悔しくて、私が憎かったよね?だって、」
────だって、真佳ちゃんは、真守くんのことが好きだから。
その瞬間、は、と息が止まった。
凛ちゃんの言う「好き」が、家族としての好きという意味を指していないことくらい言わずとも分かった。
ここで黙っていたら肯定することになる。
なにか言わなきゃ、なにか言わなきゃ、頭の中では分かっているのに言葉が出てこない。
「真佳ちゃんは優しいから、多分そんな気持ちになった自分を責めたよね?でも、安心して。責めなくていいよ。だって、その嫉妬は間違ってないから」
「どう……いう、こと?」
ふふ、と凛ちゃんは肩を竦めた。
「私も真守くんが好きなんだもん。もちろん、男の人として」