白いくまさんの耳に付いた星の形にカットされたダイヤモンドをツンと弾く。
今はくまさんの耳におさまっているそれは、あの青空市場で見た星をモチーフにしたピアスだ。
お店を見て回っていた際に見つけてすごく気になっていたけれど、イヤリングは売り切れでピアスしかなかったのだ。
値段もそこそこ高かったので、買うのを諦めていたものだった。
あの日、くまさんの耳のお星様に気が付いた私に『いつか使える時が来るかもしれないでしょ。未来の真佳へプレゼント』と笑った。
それで、校則違反にはなってしまうけれど、思い切ってピアスホールを開けることにしたんだ。
自力では出来そうになかったので、ピアッサーで穴を開ける作業はお兄ちゃんにお願いしたらこんなありさまで、昨日の晩からずっと「俺でいいの?」「本当にいいの?」の繰り返し。
やっと意を決して「いくよ」と行ったお兄ちゃん。
せーの、のあと少し怖い音が耳元で鳴り響いて、耳たぶにじんと痛みと熱が広がった。