最近、お兄ちゃんはこうやって少し甘えてくるようになった。そんなギャップのある姿が可愛くて嬉しくて、いつも胸がきゅんとしめつけられる。

 こほん、と咳ばらいをしてお兄ちゃんを見上げた。


 「……おはよ、真守」


 うっすら片目を開いたお兄ちゃんが嬉しそうに頬を緩めて、抱きしめる手に力を込めた。


 「いい匂い」

 「朝ご飯、和食にしたの」

 「やった。嬉しい」

 「和食の方が好きだもんね。ほら、しっかりおきてね」


 そう言ってお兄ちゃんの頬を軽くぺしっと叩く。

 手伝うよ、とお兄ちゃんは私の隣に並んだ。