無意識に手を伸ばした。お兄ちゃんの星に手を伸ばす。あと数ミリで頬に触れられる、その時お兄ちゃんがその手を掴んだ。 「……本当に帰りたくない?」 ばくん、ばくん。心臓が耳のそばにあるみたいだ。 鍵をかけたはずなのに、もう二度と見つからない場所に隠したはずなのに。どうしても、気持ちが溢れる。 ああ、私。私は。 「────お兄ちゃんが、好き」