私はスマホの充電をしながら出かける準備をして家を出た。

さえちゃん家に行こう。

そして浴衣を着て漣くんに会いに行こう。


「史花ちゃんどうしたの？何か元気ない？」

さえちゃんが心配そうにそう聞いてきた。

「そんなことないよ？大丈夫。」

私はそう言うしかなかった。
さえちゃんもカイくんと花火見にいくはずだし心配はかけたくない。

「そっか。なんかあったら相談してね。」

「うん。ありがとう」

本当にさえちゃんは優しいな。でも一緒に住んでることも言えてないし喧嘩したことも言えない私は最低だ。

「はい！着付けできたよ！本当に可愛いし似合う！」

「ありがとう！」

「髪の毛もやる？」

「いいの？よかったらお願いしたい…」

「もちろん！これで灰谷くんもメロメロだよきっと」

そうならいいな。漣くんちゃんと寝れたかな？

こんな時も漣くんのこと考えてる私は重症だ。

「完璧！本当に可愛よ！」

「ありがとう！漣くんのところ行ってくるね。さえちゃんもカイくんとたのしんで！」

「ありがとう！いってらっしゃい！」