数日前。

「ねぇねぇ漣くん今週の金曜日遊んできてもいい?」

「誰と遊ぶの?女の子だよね?」

「もちろん!さえちゃんと萌ちゃんだよ!」

「その二人なら前も聞いたことあるしいいよ!」

「どこ行くの?」

やっぱりこの質問されるか。なんて答えよう。素直に言ったら絶対いかせてもらえない、でも嘘はつきたくない。バレたらめんどくさいから。

「秘密だよ?」

「なにそれ。怪しい。プールとか海とか言ったら監禁するよ?家から出さないよ?」

やばい。バレてる。

「なんでわかったの?」

「秘密にするとかそれ以外ないでしょ?」

「絶対行くからね!」

「絶対ダメ!僕のふみちゃんの体が他の人に見られちゃうんだよ。僕ですら見たことないのに。」

「絶対行くもん。意地悪な漣くん嫌い。そんなこと言うなら木曜日からさえちゃんの家行ってもう帰ってこないもん。」

言っちゃダメってわかってた。帰らない。その言葉は私たちにとっては禁句と言ってもいい。

「なんでそんなこというの?僕だけ?僕だけがこんなにすきなの?ふみちゃんも僕を捨てるの?」

すごい悲しそうな顔をしてる。ごめんね。捨てないよ。捨てるわけない。

「お願いだから捨てるなんて言わないで?一緒にいて?帰ってきて?」

「ごめんね漣くん。捨てないよ。帰らないって言ってごめんね?」

「本当に?本当に一緒にいてくれる?」

当たり前でしょ?

「うん。私は漣くんのこと大好きだもん。」

そういうと漣くんは笑ってくれた。

「じゃあプール行かない?」

「それとは話が別だよ?どうしたらプール行かせてくれる?」