漣くんが落ち着いてから私は夕飯を作った。
今日はオムライスだ。

「「いただきます」」

「おいしい」

「ありがとう」

よかった。漣くんは私が安心出来る言葉をくれる。

「もうすぐ夏休みだね。漣くんはなんか予定あるの？」

「バイトくらいかな。」

そうだ。漣くんはバイトしているんだ。
実は私もしている。

「そっか。実はね漣くんにはまだ言ってなかったんだけど私もバイトしてるから月曜日と火曜日は帰るの遅くなっちゃう。ごめんね？」

「心配。バイトなんかしなくていいのに。どこでしてるの？」

「駅前のファミレスだよ。漣くんのバイト先の近くの。」

両親が死んだ後私はおばあちゃんと暮らしてた。
そんなおばあちゃんは高校進学のタイミングで亡くなった。
おばあちゃんは私に両親の遺産と自分の遺産を残してくれた。だからバイトも少しの時間で済んでいる。
自分で遊ぶお金は自分で稼ぎたい。

「そっか。じゃあ僕も月曜日と火曜日にバイト入る。」

「いいの？あと木曜日は友達と遊ぶことが多いかもしれない。」

「じゃあ月火木で働く。ふみちゃんがいない家にいたくない。」

「わかった。」

「ふみちゃんは夏休み予定あるの？」

「特にはないよ。バイトとさえちゃんと萌ちゃんと遊ぶくらいかなぁ」

「じゃあ暇な日はずっと一緒にいようね。」

「うん。そうだね！漣くんは女の子から誘われたりしてないの？」

「誘われるわけないじゃん！誘われてもふみちゃんがいるからって断るよ。なに男から誘われたわけ？」

まずい。墓穴掘ったこれ怒ってる。

「いや？」

「嘘つき。本当のこと言って。」

バレてる。

「誘われたというか多分ノリだよ？桃瀬くんに僕とも遊んでよって言われただけだから」

「ムカつく。ふみちゃんは僕のなのに。」

「うん。そうだよ。私は漣くんのだから。遊んだりしないから安心してよ。」

「絶対だからね。」

拗ねてるなこれは。不覚にも可愛いと思ってしまう。

「漣くんおいで？」

そう言うと漣くんは嬉しそうに私に抱きつく。本当に大切だし漣くんを傷つけることはしない。そう決めた。