駐車場に車を停め。


 ピンポーン。

 親友のマンションのインターフォンを押す。




 ぜんぜん、ドアが開く気配がない。

 仕方がないか。
 まだ、朝の6時前だからね。



 な~んて
 諦めてあげる優しさが皆無な俺は、

 良い人風笑顔を貼り付け
 インターフォンを連打。




 指に痛みを感じ始めたころ。


「迷惑、考えろよな」


 パジャマ姿の氷牙(ひょうが)
 しぶしぶドアを開けた。



 長い前髪がかかる眼鏡越しの瞳は、
 迷惑色に染まっている。




 そんな氷牙に気づかないふりをして


「サンキュー」


 氷牙の肩に手を置き
 俺は家に上がり込んだ。