「ん?」

家を出て、叔父様の車に乗った私。

「いいん、ですか……?私、お家に行っても」

「もちろんだよ。あ、でも電話だけするからちょっと待ってね」

叔父様はそう言うと、スマホを耳にあてた。

「……あ、もしもし一茶(いっさ)?今から新しい同居人と帰るから、バイバイ」

……一茶?

誰だろ……。

それからしばらくして、叔父様の車が止まった。

「ここだよ」

「えっ……」

目の前にあるのは、大きなお屋敷。

というより、お城?