「千桜、なんか用か?」

「え、私だってわかったの?」

「まぁ、ノックするのなんて千桜しかいねぇからな、ここの家」

そう言ってドアを開けた京夜くん。

「あの、京夜くんの好きなもの知りたくて」

「俺の?」

「うん。やっぱり、血?」

京夜くん、吸血鬼だし。

「まぁ……吸ったことねぇからわかんね。好きなものか……トマトとか」

やっぱり、トマト好きなんだ……。

「あとは……」

ジッと私を見る京夜くん。

……?

「……お前の作る料理」