天使級美少女、ただいま吸血鬼様に猛烈アタック中

「私は誰であろうと歯向かいます!それに、吸血鬼は殺人なんてしません!」

と、強く言った。

なんで……なんでそんな……。

「吸血鬼は化け物なんかじゃありません!吸血鬼だって、立派な人間ですっ!」

俺の心が揺れるには、もう充分だった。

吸血鬼だって、人間。

それは、俺がずっと求めてたもの。

化け物じゃなく、人間と扱われること。

けど誰も……そんな風に扱わなくて。

冷えてた心が、溶かされるような感覚だった。

それと同時に、胸が苦しくなって、泣きそうになった。

「……お前、マジなんなの?」

気づけば俺は、そう言っていた。