「小娘が私たちに歯向かうんじゃないわよ」

「吸血鬼は殺人吸血鬼なのよ!化け物の味方するなんて、変わってるわね」

「私は誰であろうと歯向かいます!それに、吸血鬼は殺人なんてしません!」

それに、それに……。

「吸血鬼は化け物なんかじゃありません!吸血鬼だって、立派な人間ですっ!」

有馬くんは、人間だもん。

優しい優しい、人間だもん……っ。

「ふん、そんなこと言って、吸血鬼に殺されればいいわよ」

「粋がってられるのも今のうちよっ」

おばさまたちはそう言うと、そそくさとその場を去っていった。

「千桜ちゃん……強いね」

「「だな……」」