……そうだよ、有馬くんは私の作ったものを食べてくれるんだよ。

出した料理のほとんどは有馬くんが食べてくれている。

……とっても、優しい人。

だからこそ、お礼をしたいんだ。

────

スーパーを出て帰っていると、家の近くでおばさんがふたり話してた。

「そういえば聞いた?殺人吸血鬼の話」

「嫌よねぇ~。しばらく平和だと思っていたのに」

「ね~。私たちも会ったら殺されちゃうわね」

……殺人吸血鬼の悪口。

……有馬くんは、殺したりしない。

なのに、なんで有馬くんの悪口言うの?