「お前これ……虐待だろ」

「っ……」

俺はベッドサイドの棚に入れてる救急箱を出して、少し血が出てる傷跡に消毒液をつけた。

「いっ……」

「我慢しろ」

吸血鬼には治癒力があるから、噛みつけば1発で治る。

でもそんなことしたくねぇしできねぇから、これで手当てするしかねぇ。

「……本当のこと言え。長期出張じゃねぇだろこれ」

ビクッと肩を揺らした女。

そしてゆっくり、頷いた。

「私の、お父さんとお母さん、叔父様の会社で働いてるんです……一応お父さんは部長をしてて、だけどストレス発散は私を使っていて」